~ 「地域づくり × モビリティ」で人とまちを未来につなぐ ~
代表理事 鶴岡 良一
私はおよそ15年前、縁あって熊本の地に赴きました。
県内各地の豊かな自然や歴史、食文化、人々の温かさに触れる一方で、人口減少や高齢化、産業の衰退、若者の流出といった地方が抱える現実にも直面しました。
ここ熊本は、日本の将来を先取りする“課題先進地域”であり、同時に未来の可能性を切り拓くフィールドでもある――そう強く感じたことを覚えています。
そのとき私の目に浮かんだのは、日本の二つの未来の姿でした。
疲弊し衰退していく地域と、人々が交流し活き活きと暮らす地域。その後者の姿の中心には、自動運転やEVなどの先端モビリティが、人とモノ、地域資源をつなぐ新しい交通インフラとして機能する未来がありました。
「最先端のテクノロジーと地域の力を掛け合わせ、持続可能なまちづくりに貢献したい」――その思いから、NPO法人イーモビネットを立ち上げました。
あれから10年余り。地域社会を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。
人口減少や少子高齢化、学校や医療の統廃合、コロナ禍、自然災害、慢性的な人手不足。公共交通は各地で縮小し、「買い物・お出かけ難民」は都市近郊にまで広がり、移動の確保は地域の存続に関わる最重要課題となりました。
一方で、モビリティ関連の技術は大きく進化しました。
EVの普及、先進安全装備、AI、自動運転の実用化、オンデマンド交通やMaaSの広がり。かつて夢見た未来は、いま確実に現実へと近づいています。法制度や政策も整い、社会実装の機運は高まりつつあります。
しかし、技術が進んでも、それを地域に適した形でデザインし、住民とともに持続可能な仕組みとして根付かせる取り組みは、まだ十分とはいえません。
イーモビネットはこれまで、熊本を中心に離島・半島・中山間地域など多様な地域で、
「次世代モビリティ × ICT × 地域の力」
を掛け合わせた交通モデルづくりに取り組んできました。国・自治体・企業・大学・地域住民と連携し、実証から制度設計、運行支援、合意形成まで、地域に寄り添いながら伴走してきた経験があります。
AIや自動運転の社会実装は、まさにこれから本格化します。
私たちは、技術と地域の間をつなぎ、地域に適したサービスとして企画・設計し、実装まで伴走する“地域モビリティのパートナー”として、これからも挑戦を続けます。
交通まちづくりや次世代モビリティの社会実装を通じて、持続可能な地域の未来をともに創る――それが、イーモビネットの使命です。
NPO法人イーモビネット 代表理事 鶴岡 良一
(TSURUOKA Ryoichi)
【代表者プロフィール】
福岡県柳川市生まれ。
九州電力及びグループ企業にて、エネルギー関連システムの商品開発・研究開発・新規事業推進業務並びに経営企画部門などの業務に従事。
近年は、EVなど電動モビリティ関連商品・サービスの企画・推進に注力する傍ら、地域における移動・交通の課題に取り組むNPO法人の代表として、熊本地域の離島・半島・中山間地域における移動・交通サービスのモデル事業や社会実装を展開。
略歴
2008年 九州大学経済学府産業マネジメント専攻(九州大学ビジネススクール)にてMBA取得
2016年~ 九電テクノシステムズ株式会社 理事
2017年~ NPO法人イーモビネット代表 理事
2019年~ 九州電力株式会社にて新規事業推進プロジェクトに従事
主な研究・講演等
- 着地型観光による離島・半島の活性化と次世代モビリティに関する研究(九州経済調査協会、2016年)
- 企業グループにおける知識の統合メカニズムに関する研究(九州大学、2007年)
- パブリックマネジメント 外部講師(北九州市立大学ビジネススクール、2025年)
- ICT活用観光戦略立案セミナー 講師(天草地域雇用創出協議会、2017年)
- 益城町地域福祉塾(2020年)ほか、「地域支え合い型移動支援の仕組みづくり」に関する講演、講師多数



